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老人ホームの種類を一覧で比較!介護施設10種の違いと費用・入居条件【2026年版】

老人ホームの種類を一覧で比較する記事のアイキャッチ。10種類の違いと費用・入居条件

老人ホームの種類は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホーム、ケアハウス、養護老人ホームの10種類に整理できます。種類ごとの違いが最も表れるのは、介護を施設の職員が行うのか、外部の介護事業所と自分で契約するのか、そもそも介護がほとんど要らない人向けなのか、という点です。

ここでは、10種類の特徴、費用、入居条件を厚生労働省と国土交通省の資料をもとに比べ、介護度や認知症の有無から種類を選ぶ手順、入居までの流れ、選んだあとに困りやすい注意点までを整理します。

目次

老人ホームの種類は介護の受け方で3つに分かれる

老人ホームを介護の受け方で、施設の職員が介護する種類・外部の事業所と契約する種類・自立から軽度向けの種類の3つに分けた図

老人ホームは「公的か民間か」で分けて説明されることが多い一方で、実際の選び方を左右するのは介護の受け方です。施設の職員が介護まで行う種類、外部の介護事業所と別に契約して介護を受ける種類、自立から軽い介護の人を対象にする種類の3つに分けると、自分たちが検討すべき種類が見えやすくなります。まず、老人ホームという言葉の範囲と、公的・民間という呼び名の中身から確認します。

老人ホームという言葉には、根拠となる法律が異なる施設が混ざっているため、一覧表の前に範囲を分けて見ます。

老人ホームとは高齢者が暮らしと介護を受ける住まい

老人ホームは、高齢者が生活の場として暮らしながら、食事や介護などの支援を受ける住まいの総称です。老人福祉法に基づく有料老人ホーム・特別養護老人ホーム・軽費老人ホーム・養護老人ホームのほか、介護保険法に基づく介護老人保健施設や介護医療院、高齢者住まい法に基づくサービス付き高齢者向け住宅、介護保険のサービスであるグループホームまで、根拠となる法律が異なる施設が「老人ホーム」「介護施設」という同じ名前で探されています。

根拠となる法律が違うと、入居の申込み先や費用の決まり方も変わります。特養・老健・介護医療院は介護保険の施設サービスで、要介護認定を受けた人が対象です。これに対して有料老人ホームやサ高住は民間の事業者と契約して住まいを確保し、介護が必要になったときに介護保険のサービスを使います。

公的施設と民間施設の違いは運営主体と入居しやすさ

公的施設と民間施設という分け方は、法律上の区分ではなく、運営主体や費用の傾向から使われる通称です。どの施設をどちらに入れるかは資料や事業者によって異なりますが、特養・老健・介護医療院・ケアハウス・養護老人ホームを公的施設、有料老人ホームやサ高住、グループホームを民間施設とする説明が多く見られます。

ただし、公的施設と呼ばれる種類も、運営しているのは自治体だけではありません。厚生労働省の令和6年介護サービス施設・事業所調査では、特養(介護老人福祉施設)の95.7%を社会福祉法人(社会福祉協議会以外)が、老健の75.5%と介護医療院の87.8%を医療法人が運営しています。公的施設に分類される種類でも、運営の担い手は自治体より社会福祉法人や医療法人が中心です。呼び名から運営主体や費用を判断せず、種類ごとの制度を確認します。

入居の条件にも差があります。特養は要介護3以上が原則で、養護老人ホームは市区町村の措置が必要です。民間施設は、施設ごとの条件を満たせば、要介護度が軽い人や自立の人も入れる種類が多くなっています。

老人ホーム10種類の特徴を一覧表で比べる

10種類を、介護の受け方・入居の条件・根拠となる制度で並べると次の表のとおりです。入居の条件は制度が定める基本的な部分で、施設ごとに独自の条件が加わることがあります。

種類介護の受け方主な入居の条件根拠となる制度
特別養護老人ホーム施設の職員が介護原則要介護3以上老人福祉法・介護保険法
介護老人保健施設施設の職員が介護とリハビリ在宅復帰を目指す要介護者介護保険法
介護医療院施設の職員が介護と医療長期の療養が必要な要介護者介護保険法
介護付き有料老人ホーム施設の職員が介護(外部委託型もある)施設ごとに自立・要支援・要介護から設定老人福祉法・介護保険法(特定施設)
グループホーム施設の職員が介護認知症の人で、その市町村の住民介護保険法(地域密着型)
住宅型有料老人ホーム外部の介護事業所と契約施設ごとに設定老人福祉法
サービス付き高齢者向け住宅外部の介護事業所と契約(一部は職員が介護)60歳以上または要支援・要介護認定者高齢者住まい法
健康型有料老人ホーム介護が必要になると退去自立の人老人福祉法
ケアハウス(軽費老人ホーム)外部の介護サービスまたは職員が介護60歳以上で自立に不安がある人老人福祉法
養護老人ホーム外部の介護サービスまたは職員が介護65歳以上で環境上・経済的に困難な人老人福祉法(市区町村の措置)

介護の受け方の列を見ると、特養から介護付きまでの5種類は職員が介護し、住宅型とサ高住は外部の事業所と契約し、健康型・ケアハウス・養護老人ホームは自立から軽い介護の人向けという3つのまとまりがあります。以降の章は、このまとまりの順に進めます。

介護付き有料老人ホームや特養など職員が介護する5種類

特養・老健・介護医療院・介護付き有料老人ホーム・グループホームの5種類の特徴を並べた図

職員が介護を提供する種類は、特養・老健・介護医療院・介護付き有料老人ホーム・グループホームの5つです。いずれも介護保険の施設サービス、特定施設入居者生活介護、地域密着型サービスとして制度が定められており、介護の提供を施設の職員(介護付きの外部サービス利用型では委託先の事業所)が担います。入居者が介護事業所を一つずつ契約する住宅型とは、この点で仕組みが異なります。一方で、入所の条件や施設の目的は種類ごとに大きく異なります。

5種類のうち、特養・老健・介護医療院は介護保険施設、介護付きは有料老人ホーム、グループホームは認知症の人向けの地域密着型サービスと、制度上の位置づけが分かれます。

特別養護老人ホームは要介護3以上が入る生活施設

特別養護老人ホーム(特養)は、入浴・排せつ・食事などの介護、機能訓練、健康管理、療養上の世話を行う要介護高齢者のための生活施設です。2015年4月から、新たに入所する人は原則として要介護3以上に限られています。要介護1・2でも、認知症の症状で在宅生活が困難な場合、深刻な虐待が疑われる場合、単身や同居家族の支援が期待できず地域のサービスも十分にない場合などは、市町村が関与する施設の検討委員会を経て、特例として入所できます。

厚生労働省の社会保障審議会の資料では、特養の入所者の平均要介護度は3.95(令和5年)で、中重度の人が暮らす施設になっています。介護報酬は要介護5の場合で1日あたり、多床室(既設)が871単位、ユニット型個室が955単位と、個室の方が高く設定されています。看護・介護職員1人あたりの利用者数は、多床室で平均2.2人、ユニット型個室で平均1.9人です(令和5年介護事業経営実態調査)。

介護老人保健施設はリハビリで在宅復帰を目指す

介護老人保健施設(老健)は、心身の機能の維持回復を図り、自宅での生活に戻るための支援が必要な要介護者に、看護、医学的管理のもとでの介護、機能訓練などの医療と日常生活上の世話を行う施設です。特養が長く暮らす生活の場であるのに対して、老健は在宅復帰を目標にリハビリを行う点が大きな違いです。

厚生労働省は、老健の報酬で在宅復帰・在宅療養支援機能を評価する指標を設けています。令和5年の審議会資料では、この機能が高い「超強化型」の施設が令和5年2月時点で28.6%まで増えたとされています。全国に4,214施設・定員365,939人があり、75.5%は医療法人が運営しています(令和6年調査)。入所の前には、退所後の暮らしをどうするかを支援相談員と話し合っておくと、退所の時期になって行き先が決まっていない事態を避けやすくなります。

介護医療院は医療ケアが必要な人の長期療養向け

介護医療院は、主として長期にわたり療養が必要な要介護者に、療養上の管理、看護、医学的管理のもとでの介護、機能訓練などの医療と日常生活上の世話を行う介護保険施設です。介護療養病床の受け皿として2018年に創設され、医療を提供しながら生活施設としての機能も持ちます。

厚生労働省の概要資料では、I型は重篤な身体疾患のある人や身体合併症のある認知症高齢者などを、II型はI型より容体が比較的安定した人を主な利用者としています。令和6年の調査では、施設数は917で、前年から126施設(15.9%)増え、定員は52,837人です。運営の87.8%は医療法人で、医療を担う法人が運営の中心になっています。

特養が日常の介護と生活の場、老健が在宅復帰のためのリハビリの場であるのに対して、介護医療院は日常的な医学管理のもとで長期の療養を支える場です。医療的な処置が常に必要な人は、介護医療院が候補になります。受け入れられる処置は施設ごとに異なるため、入所前に医師や相談員に確かめます。

介護付き有料老人ホームは特定施設の指定を受けた施設

介護付き有料老人ホームは、有料老人ホームのうち、都道府県から特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設です。厚生労働省の類型表では、介護が必要になっても施設が提供する介護サービスを利用しながら、同じ居室で生活を続けられると説明されています。この指定を受けていない施設は、広告やパンフレットで「介護付き」と表示できません。

介護の提供方法は2通りあります。一般型は有料老人ホームの職員が介護を提供し、介護報酬は包括報酬で支払われます。外部サービス利用型は、職員が安否確認や計画作成を行い、介護は委託先の事業所が提供して、介護報酬は出来高で支払われます。全国の介護付きは4,559件で、有料老人ホーム全体の17,246件の約26%です(令和6年6月30日現在)。

グループホームは認知症の人が少人数で暮らす

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、認知症(急性を除く)の高齢者が、共同生活住居で家庭的な環境のもと、入浴・排せつ・食事などの介護と機能訓練を受けながら暮らす介護保険のサービスです。厚生労働省の資料では、1つの共同生活住居(ユニット)の定員は5人以上9人以下、居室は7.43㎡以上の原則個室とされています。介護従業者は、日中は利用者3人に1人、夜間はユニットごとに1人が配置されます。

地域密着型サービスのため、原則として事業所のある市町村の住民だけが利用できます。利用できるのは要支援2から要介護5までの認知症の人で、全国に14,341事業所があります(令和6年10月1日現在)。1ユニットが9人以下で、夜間もユニットごとに職員が1人以上付くため、少人数の生活単位でケアを受けられる種類です。

住宅型とサ高住は外部の介護事業所と契約して暮らす

住宅型有料老人ホームとサ高住の根拠となる法律・件数・入居条件を比べた図

住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、住まいと生活支援は施設が提供し、介護は入居者が外部の介護事業所と別に契約して受ける点が共通します。介護保険の在宅サービスを使うため、必要な介護が少ないうちは費用を抑えやすく、介護が増えるほど費用も増える関係にあります。厚生労働省の資料では、大都市部で自立や軽度の人はサ高住、要介護の人は住宅型有料老人ホームが主な受け皿になっていると整理されています。

住宅型は老人福祉法の有料老人ホーム、サ高住は高齢者住まい法に基づく賃貸住宅という位置づけの違いがあります。

住宅型有料老人ホームは介護サービスを自分で選べる

住宅型有料老人ホームは、生活支援のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。厚生労働省の類型表では、介護が必要になった場合は入居者自身の選択で地域の訪問介護などを利用しながら、居室での生活を続けられるとされています。有料老人ホームは全国に17,246件あり、そのうち住宅型が12,668件で73.5%を占めます(令和6年6月30日現在)。

住宅型有料老人ホームの費用と入居条件は、夜間の職員体制や受け入れられる医療ケアの範囲によって施設ごとに差があります。併設・隣接する介護・医療サービス事業所がある住宅型は79.1%で、沖縄県北谷町のグラットホーム パステルのように、デイサービスを併設して日中の介護を受けられる施設もあります。なお、有料老人ホームにはこのほかに健康型があり、食事などのサービスが付いた居住施設ですが、介護が必要になると契約を解除して退去する前提のため、自立の人向けです。件数は全国で19件と、有料老人ホーム全体の0.1%にとどまります。

サービス付き高齢者向け住宅は賃貸借契約で入る住まい

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、バリアフリー構造などの基準を満たして都道府県などに登録された賃貸住宅です。国土交通省の登録制度の資料では、登録基準として床面積は原則25㎡以上、廊下幅の確保・段差の解消・手すりの設置、必須サービスとして状況把握と生活相談が定められています。入居できるのは60歳以上の人か要支援・要介護認定を受けた人で、登録は令和6年12月末で289,013戸・8,323棟です。

契約は賃貸借が基本で、長期入院を理由に事業者から一方的に解約できないこと、敷金・家賃・サービス対価以外の金銭を徴収しないことが登録の条件になっています。食事や介護は付いていない場合があり、必要に応じて外部の事業所と契約します。一部のサ高住は特定施設の指定を受けており、その場合は介護付き有料老人ホームと同じく施設の職員が介護します。契約が賃貸借のため、サ高住の契約の仕組みは有料老人ホームの利用権方式とは別に確かめる必要があります。

ケアハウスと養護老人ホームは自立から軽い介護の人向け

ケアハウスと養護老人ホームの対象年齢・入居の方法・月額費用・施設数を比べた図

ケアハウス(軽費老人ホーム)と養護老人ホームは、どちらも老人福祉法に基づく老人福祉施設で、低所得の高齢者の受け皿となる地域のセーフティネットとされています。食事などの生活支援を受けながら、自立した生活を送ることを目的にしています。入居の経路は異なり、ケアハウスは本人と施設の契約、養護老人ホームは市区町村の措置で入所します。

ケアハウスは契約で入る60歳以上向け、養護老人ホームは措置で入る65歳以上向けという違いがあります。

ケアハウスは60歳以上で契約して入る低額の住まい

ケアハウスを含む軽費老人ホームは、60歳以上で自立して生活することに不安があり、身寄りがない人や家族の援助を受けることが困難な人などが、契約によって入居できる施設です。全国老人福祉施設協議会が国土交通省・厚生労働省の協議会に出した資料では、自己負担は前年度の収入に応じて段階的に決まり、居住にかかる費用と食費などの生活費を含めて概ね月4万〜15万円程度とされています。全国に2,328施設あります(令和7年3月31日時点)。

令和6年の協議会資料では、入所者は要支援1・2が約3割、要介護1〜3が約4割を占めており、軽い介護が必要な人も暮らしています。介護保険の特定施設の指定を受けている軽費老人ホームは22.9%(令和4年度)ですが、指定がなくても外部の介護サービスを使って住み続けられます。収入に応じて費用が変わる仕組みのため、年金が少ない人でも検討しやすい種類です。

養護老人ホームは市区町村の措置で入る福祉施設

養護老人ホームは、現在の環境での生活が難しく、経済的にも課題がある65歳以上の高齢者が、市区町村の措置によって入所できる施設です。措置とは、市区町村長が入所の必要性を判断して決める行政処分のことで、本人や家族が施設に直接申し込む有料老人ホームや、施設と契約する特養とは入り口が異なります。入所を考えるときは、施設ではなくお住まいの市区町村の窓口に相談します。

自己負担は前年度の収入に応じて決まり、概ね月0〜14万円程度です。全国に910施設あります(令和7年3月31日時点)。一部の施設は定員の20%以内で契約による入所も受け入れており、同じ令和6年の協議会資料では、入所者に自立の人が多く、特定施設の指定を受けている施設は48.1%(令和4年度)とされています。介護が必要になったときの受け方は、施設ごとに確認が必要です。

老人ホームの種類別の費用は一時金と月額で比べる

介護付き有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・サ高住の月額費用で最も多い価格帯を示した図

老人ホームの費用は、入居時にまとまった額を払う前払金(入居一時金)と、毎月払う月額費用に分かれ、種類によって払い方が大きく異なります。公的な資料で金額の幅が確認できるのは有料老人ホーム・サ高住・ケアハウス・養護老人ホームで、特養・老健・介護医療院・グループホームは、介護保険の自己負担に居住費や食費が加わる形で決まります。種類ごとの目安と、費用が別々にかかる仕組みを順に見ていきます。

月額の表示が何を含むかを揃えて見ることが、種類の比較では欠かせません。

月額費用の目安は最多の価格帯と公的な幅で見る

厚生労働省と国土交通省の資料で確認できる月額費用の目安を、種類別に並べました。有料老人ホームとサ高住の月額は「介護・医療サービスの自己負担分を除く総額」、ケアハウスと養護老人ホームは「居住費と食費などの生活費を含む額」と、資料によって集計の範囲が違うため、同じ基準での比較ではない点に注意してください。

種類月額費用の目安目安の範囲
介護付き有料老人ホーム最も多い価格帯は30万円以上家賃・共益費・基本サービス費・食費・光熱水費(介護・医療の自己負担を除く)
住宅型有料老人ホーム最も多い価格帯は10万円未満同上
サ高住(特定施設以外)最も多い価格帯は12万〜14万円同上
ケアハウス概ね4万〜15万円前年度の収入で段階的に決まる。居住費・食費を含む
養護老人ホーム概ね0〜14万円前年度の収入で段階的に決まる。居住費・食費を含む
特養・老健・介護医療院・グループホーム要介護度ごとの介護費の自己負担に居住費・食費などが加わる施設の居室タイプや所得による負担の軽減で変わる

厚生労働省の検討会資料では、月額費用の幅は広い一方で、最も多い価格帯が10年前と変わっていません。平均の月額費用は、介護付きとサ高住が約1.4万円上がり、住宅型はわずかに下がっています。住宅型のうち前払金を徴収している施設は7.0%にとどまり、住宅型の多くは前払金なしの月払いで入居できます。前払金のある施設は、返還の扱いを契約書と重要事項説明書で入居前に確認します。

介護保険の自己負担と家賃や食費は別に払う

介護保険のサービスを使うと、費用の一部が自己負担になり、残りは介護保険から給付されます。特養・老健・介護医療院の食費と居住費は、負担を軽くする補足給付の仕組みがあることからも分かるように、介護費とは別に入所者が支払う費用です。そのため、介護費の自己負担が同じでも、居室のタイプによって毎月の支払いが変わる場合があります。

市町村民税が非課税の世帯など所得が低い人には、居住費と食費の負担を軽くする補足給付があります。特養の入所者の約6割が、補足給付の対象になる低所得者(第1〜3段階)です(厚生労働省の審議会資料)。住宅型やサ高住では、月額費用のほかに介護保険の自己負担が別にかかるため、見学のときは、月額費用に介護費が含まれているか、今の要介護度で介護費がいくらになるかを最初に確かめます。

老人ホームの選び方は介護度と認知症と医療で決まる

老人ホームの選び方を、要介護度・認知症と医療ケア・看取りの3つの観点で示した図

種類を選ぶときは、今の介護度よりも、数年後にどれだけ介護と医療が必要になりそうかを軸にします。介護度が上がると、住み続けられる種類と住み替えが必要になる種類に分かれるためです。ここでは、介護度、認知症と医療ケア、看取りの3つの観点で、候補になる種類を絞っていきます。

介護度で入れる種類の範囲を決め、認知症と医療ケアで絞り、最後に看取りまで住めるかを確かめる順に見ていきます。

要介護度が軽い人と重い人で入れる種類が変わる

要介護度によって、制度上入れる種類と、実際に選ばれやすい種類が分かれます。大まかな目安は次のとおりです。

  • 自立から要支援の人:サ高住、ケアハウス、自立を受け入れる住宅型・介護付き、条件に合えば養護老人ホーム(数は少ないが健康型有料老人ホームもある)
  • 要介護1・2の人:住宅型、介護付き、サ高住、ケアハウス、認知症ならグループホーム、リハビリが目的なら老健
  • 要介護3以上の人:特養、介護付き、住宅型、リハビリが目的なら老健、医療の必要が高ければ介護医療院

厚生労働省の検討会資料では、住宅型有料老人ホームの入居者のうち要介護3以上の人は55.9%(2024年)で、10年前の48.87%から増えています。令和2年度の調査では、サ高住は軽度の人が3割以上を占めており、同じ民間の住まいでも種類によって入居者像が違います。検討する施設の入居者の介護度の分布を、見学のときに聞いておくと参考になります。

認知症や医療ケアがある人は対応可否を確かめる

認知症の人が共同生活を前提に入る種類はグループホームです。有料老人ホームやサ高住にも認知症の人は暮らしており、厚生労働省の資料(令和2年度調査)では、介護付き・住宅型・サ高住(特定施設以外)のいずれも、認知症自立度が「IIa・IIb」の人が最も多いとされています。ただし、他の入居者との共同生活が送れるか、夜間の安全を守れるかは施設ごとに判断されるため、症状が進んだときの対応を事前に聞いておきます。

医療ケアが必要な人は、種類によって受け入れの範囲が変わります。同じ資料の2024年の調査では、医療処置が必要な入居者は、特定施設(介護付き)で1施設あたり平均5.7人(入居者の11.1%)、住宅型で2.7人(10.3%)、サ高住で2.1人(6.5%)です。処置の内容は、特定施設とサ高住では尿道カテーテルの管理、住宅型ではたんの吸引と尿道カテーテルの管理が多く、常時の医療が必要なら老健や介護医療院も候補になります。

看取りまで住みたいなら終身利用の条件を見る

厚生労働省の検討会資料では、退去の理由で最も多いのは死亡で、介護付きで59%、住宅型で55%、サ高住で43%です。特養の退所理由に占める死亡は71.9%(2022年)で、住宅型では死亡による退去のうち57.7%が居室での看取りでした。ただし、看取りの対応は種類で一律に決まるものではなく、施設ごとに方針が異なります。

看取りまで住み続けたい場合は、見学の際に看取りの指針があるか、夜間に看護師がいるか、協力医療機関がどこかを確認します。医療的な処置が増えたときに退去になる条件も、重要事項説明書で読んでおきます。健康型有料老人ホームは、介護が必要になると契約を解除して退去する前提のため、看取りまで住み続ける目的には向きません。

老人ホームの種類が決まったら相談から見学と契約へ進む

ケアマネジャーへの相談から、資料請求と見学、重要事項説明書の確認、契約と入居までの4つの手順を示した図

種類の候補が絞れたら、相談、見学、申込みの順に進みます。入居までの手順は種類によって違い、特養は各施設への申込みのあとに入所の判定があり、有料老人ホームやサ高住は施設と直接契約し、養護老人ホームは市区町村への相談から始まります。どの種類でも、最初の相談先を間違えないことが、無駄な手戻りを減らします。

相談の窓口は、担当のケアマネジャーがすでにいるかどうかで変わります。

相談先はケアマネジャーと地域包括支援センター

すでに要介護認定を受けて担当のケアマネジャーがいる場合は、まずケアマネジャーに相談するのが近道です。ケアプランの内容と今の介護の状況を把握している人に、施設の種類と候補を一緒に考えてもらえます。要介護認定をまだ受けていない場合や、担当のケアマネジャーがいない場合は、市町村が設置する地域包括支援センターが総合相談の窓口になります。

厚生労働省の地域包括ケアシステムのページでは、地域包括支援センターは高齢者の総合相談、権利擁護、介護予防の支援などを行う機関で、全国に5,487か所(ブランチを含めると7,374か所)あるとされています(令和7年4月末現在)。養護老人ホームの入所は市区町村の窓口、特養は各施設への申込み、有料老人ホームやサ高住は施設への資料請求と見学と、種類によって窓口が変わります。

重要事項説明書と体験入居で退去条件を確かめる

有料老人ホームでは、契約の前に重要事項説明書で職員の体制、費用、退去の条件を確認します。厚生労働省の類型表では、有料老人ホームが広告やパンフレットなどで示す事項として、居住の権利形態を、居住と介護・生活支援の契約が一体の利用権方式、居住と介護等の契約が別々の建物賃貸借方式、入居者の死亡で契約が終わる終身建物賃貸借方式のいずれかで表示すると定めています。利用料の支払い方式も、全額前払い、一部前払い・一部月払い、月払い、選択方式の4つのいずれかを示します。

契約の際に、身元引受人や連帯保証人を求める施設もあります。頼める家族がいない場合は、民間の身元保証サービスや成年後見制度を使う方法があります。見学では、次の点を確かめておくと、入居後の食い違いを減らせます。

  • 月額費用に含まれるものと、別にかかる費用
  • 要介護度が上がったときの費用の目安と、住み続けられる条件
  • 居住の権利形態と、前払金の返還のルール
  • 食事の時間帯に見える入居者の様子と、職員の声かけ

可能であれば体験入居を使い、本人が実際に過ごしてみてから決めると、入居後のミスマッチを減らせます。

老人ホームの種類選びで失敗しやすい注意点

特養の入所待ち・住宅型とサ高住の月額の上昇・グループホームの住民要件という3つの注意点を示した図

種類ごとの特徴を知っていても、入所の難しさ、介護度が上がったときの費用、住民票の要件といった条件を見落とすと、申込みができない、住み続けられない、思った以上に費用がかかるといった失敗につながります。入居後に状況が変わりやすい点に絞って、3つの注意点を挙げます。

特養の入所待ち、住宅型とサ高住の月額、グループホームの住民票の要件が、入居後や申込み後に問題になりやすい点です。

特養は入所待ちを見込み老健は退所後を考える

特養は原則要介護3以上の人が対象で、厚生労働省の資料では、要介護3〜5の入所申込者は全国で25.3万人、そのうち在宅の人は10.6万人です(令和4年12月集計)。入所までにかかる時間は地域と施設で異なり、申込みの時点で入所の時期を約束するものではありません。特養だけを待たず、有料老人ホームやサ高住の候補も並行して持っておくと、介護が必要になったときに動きやすくなります。

老健は、在宅復帰を目的とする施設のため、入所時から退所後の暮らしを考える前提で運営されています。入退所の支援を担う支援相談員が配置されており、退所後の行き先を自宅にするか、特養や有料老人ホームにするかを入所中に相談します。老健を長く暮らす場所として考えていると、退所の時期に次の行き先が決まっていない状態になりやすいため、早めに候補を持っておきます。

要介護3や4になると住宅型とサ高住の月額は上がる

住宅型とサ高住は、使った分だけ介護保険の自己負担が増える仕組みです。介護度が上がると、訪問介護やデイサービスの利用量が増え、毎月の介護費がふくらみます。自己負担は使ったサービスの量に比例するため、介護の必要度が高い人ほど、月々の負担への影響が大きくなります。

厚生労働省の資料では、施設単位の平均要介護度は住宅型有料老人ホームで2.8、特定施設(介護付き)で2.3、サ高住(特定施設以外)で2.1です(2024年)。入居時に軽い介護度でも、住み続けるうちに介護度が上がることを前提に、要介護3や4になったときの月額の見込みを施設に聞いておきます。費用が合わなくなったときの住み替え先として、介護付きや特養も候補に入れておくと、判断が遅れません。

グループホームは住民票のある市町村の人が対象

グループホームは地域密着型サービスのため、原則として事業所のある市町村の住民だけが利用できます。関東信越厚生局の資料では、事業所のある市町村の同意を得たうえで他の市町村が指定すれば、他の市町村の住民も利用できると説明されています。

そのため、遠方に住む親を自分の近くに呼び寄せてグループホームに入れたい場合は、住民票を移す前に、移す先の市町村にグループホームがあるか、受け入れの扱いはどうなるかを、その市町村の介護保険の窓口で確かめます。住民票を移してから入れる施設がないと分かると、手続きをやり直すことになるためです。

老人ホームの種類を調べるときのよくある質問

入居前によく聞かれる質問のうち、ここまでの章と重ならない点をまとめました。

有料老人ホームの前払金は退去したときに返ってきますか?

入居から3か月以内に契約を解除した場合や入居者が亡くなった場合は、老人福祉法施行規則の定めにより、利用した日数分の家賃などを差し引いた残りが返還されます。3か月を過ぎたあとも、施設が想定した入居期間より前に退去すれば、まだ使っていない期間の分が返還される仕組みです。

返還額の計算方法は契約書と重要事項説明書に書かれています。前払金を払う施設と月払いの施設を比べるときは、月額の安さだけでなく、想定した期間より早く退去したときに戻る額まで含めて総額で考えます。

老人ホームの入居者はどれくらいの年齢ですか?

厚生労働省の検討会資料では、2024年にはいずれの類型も90歳以上の層が最も厚く、約3〜4割を占めています。10年前と比べて、80歳未満の層は介護付きとサ高住で6%、住宅型で3%程度縮小しました。住宅型は80歳未満が全体の約22%を占め、他の類型より年齢層が低いとされています。

入居の条件となる年齢は種類で異なり、サ高住とケアハウスは60歳以上、養護老人ホームは65歳以上です。同年代の入居者が多いかどうかは、見学のときに施設へ聞くと確かめられます。

特養に入るまでの間に使える施設はありますか?

自宅で在宅サービスを使いながら待つ方法のほか、有料老人ホームやサ高住に先に入居する方法があります。全国老人福祉施設協議会の資料では、特養入所までの待機・代替施設としての一時入所支援に取り組んでいる施設が、養護老人ホームで29.4%、軽費老人ホーム・ケアハウスで25.2%あります(令和4年度の調査)。

ただし、一時入所には施設ごとの条件があり、先に別の施設へ入居した場合に特養の申込みを続けられるかどうかも、特養ごとに確認が必要です。担当のケアマネジャーに、待っている間の過ごし方と使える施設を相談します。

老人ホームの協力医療機関とは何をする医療機関ですか?

協力医療機関は、施設が入所者の健康管理や急変時の対応のために連携する医療機関のことです。厚生労働省の審議会資料では、国が定める協力医療機関の3要件を満たす体制を整えている施設の割合は、介護医療院84.9%、老健83.3%、特養67.9%、養護老人ホーム60.4%とされています。

有料老人ホームやサ高住でも、夜間や休日にどの医療機関がどのように対応するかは、重要事項説明書や見学のときに確かめます。医療ケアが必要な人は、連携先の名称と対応できる処置まで聞いておくと、入居後の食い違いを減らせます。

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グラットホーム パステル

沖縄県北谷町で住宅型有料老人ホーム「グラットホーム パステル」を運営する株式会社シルバー・サポートです。平成26年の開所以来、住宅型有料老人ホーム・デイサービス・ケアプラン作成を通じて、地域の高齢者とご家族の暮らしを支えています。

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