ケアプランとは、介護保険のサービスをいつ、どこで、どのくらい使うかを決める利用計画のことです。自宅で暮らす要介護の人は、ケアマネジャーが本人と家族の希望を聞いて作り、居宅介護支援の作成に利用者の負担はありません。要支援の人は、地域包括支援センターが中心になって作ります。自分で作ることもできますが、市町村への手続きが必要です。
ここでは、ケアプランの中身と種類、誰が作るのか、費用、作成の流れ、作ったあとの見直し、ケアマネジャーの探し方を、厚生労働省の資料をもとに整理します。
ケアプランとは介護サービスの利用計画のこと

ケアプランは、介護が必要な人がどのサービスを、週に何回、どの時間帯に使うのかを書いた計画です。介護保険のサービスは、事業所と契約したうえで、このケアプランに沿って使い始めるのが基本です。代表的なものは、自宅で暮らす人の居宅サービス計画、施設に入る人の施設サービス計画、要支援の人の介護予防サービス計画の3つです。ほかに、特定施設などで使う計画もあります。
ケアプランは、種類が暮らす場所と認定の区分で変わる点と、書式が国の標準様式で示されている点が基本です。
ケアプランに書かれるのはサービスの回数と目標
ケアプランには、どのような介護サービスを、週に何回ほど使うのかが書かれます。厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、ケアマネジャーが、利用者の心身の状況や置かれている環境に応じて介護サービスを使うためのケアプランを作り、その計画に基づいてサービスが始まる、と説明されています。作る人は、特定のサービスや事業者に偏らず、公正中立に進めることとされています。
東京都中野区の案内では、ケアプランに盛り込まれる内容として、健康上や生活上の問題点と課題、サービスごとの目標と達成の時期、サービスを使う日時、提供上の留意点、利用者の負担額の5つが挙げられています。サービスの種類を並べるだけでなく、本人が困っていることと、その解決に向けた目標が書かれる点が特徴です。
ケアプランには居宅と施設と介護予防の主な3種類がある
代表的なケアプランは、暮らす場所と認定の区分で分かれます。自宅で暮らす要介護1〜5の人は居宅サービス計画、要支援1・2の人は介護予防サービス計画を使います。住宅型有料老人ホームのように、外部の介護事業所を使う住まいは、介護保険の上では自宅と同じ扱いのため、入居中も、要介護なら居宅サービス計画、要支援なら介護予防サービス計画で介護サービスを使います。
施設に入所する人は、施設サービス計画に基づいてサービスを受けます。厚生労働省の資料では、介護保険施設にあたる特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院が、いずれも施設サービス計画に基づいて介護や医療を行う施設と定義されています。ほかに、特定施設などで使う計画もあるため、入居する住まいの種類によって、使う計画が変わります。
居宅サービス計画の標準様式は第1表から第7表まで
居宅サービス計画の書式は、厚生労働省が標準様式を示しており、第1表から第7表までの7種類があります。表ごとの内容は次のとおりです。
| 表 | 名称 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 第1表 | 居宅サービス計画書(1) | 要介護状態区分、認定の有効期間、課題分析の結果などの基本情報 |
| 第2表 | 居宅サービス計画書(2) | 生活全般の解決すべき課題、長期目標・短期目標、援助内容 |
| 第3表 | 週間サービス計画表 | 1週間のサービスと日常生活上の活動 |
| 第4表 | サービス担当者会議の要点 | 会議の出席者、検討した項目、結論、残された課題 |
| 第5表 | 居宅介護支援経過 | 日付ごとの経過の記録 |
| 第6表 | サービス利用票(兼居宅(介護予防)サービス計画) | 月ごとのサービスの利用予定 |
| 第7表 | サービス利用票別表 | 区分支給限度の管理と利用者負担の計算 |
課題と目標は第2表、1週間の予定は第3表で確かめられます。第6表は月ごとの利用予定、第7表は区分支給限度の管理と利用者負担の計算に使う書類で、費用の話とつながります。
在宅で使うケアプランを作る人は要介護と要支援で分かれる

在宅で使うケアプランを作る人は、認定が要介護か要支援かで決まります。自宅で暮らす要介護1〜5の人は居宅介護支援事業所のケアマネジャー、要支援1・2の人は地域包括支援センターが中心になって作ります。要介護の場合は、本人と家族の希望を聞き取り、文書で同意を得て進めるのが基準で決められています。本人が自分で作るセルフプランという方法もあり、その場合は市町村の窓口で手続きをします。
3つの方法は、頼む先と手続きが違うため、自分や親がどれにあたるかを先に確かめます。
在宅の要介護の人は居宅介護支援事業所が作る
自宅で暮らす要介護1〜5の人は、居宅介護支援事業所に所属するケアマネジャー(介護支援専門員)にケアプランの作成を頼みます。厚生労働省の基準では、ケアマネジャーは利用者の自宅を訪ねて、利用者と家族に会って話を聞き、課題を把握することとされています。その結果と本人や家族の希望をもとに、原案を作ります。
原案ができると、利用するサービスの担当者が集まるサービス担当者会議で意見を出し合います。そのうえで、保険の対象になるサービスかどうかを区分して、利用者または家族に説明し、文書で同意を得ます。完成したケアプランは、利用者と各サービスの担当者に渡されます。
要支援の人は地域包括支援センターが中心になって作る
要支援1・2の人のケアプランは、介護予防サービス計画と呼ばれ、地域包括支援センターが介護予防支援として作ります。厚生労働省の資料では、地域包括支援センターの主な業務として、介護予防支援と介護予防ケアマネジメントが挙げられています。介護予防支援は保険給付の対象で、ケアマネジャーのいる事業所に作成を委託することもできます。
地域包括支援センターは、市町村が設置する高齢者の総合相談の窓口で、全国に5,487か所あります(令和7年4月末現在、厚生労働省)。地域包括支援センターは、高齢者の総合相談にも応じる窓口なので、要介護の認定がまだ出ていない時期や、どこに頼めばよいか分からないときの相談先にもなります。
本人が自分で作るセルフプランは市町村の窓口で手続きする
ケアプランは、ケアマネジャーに頼むほかに、自分で作ることも認められています。健康長寿ネット(2019年7月更新の情報)によると、自分で作る場合は、まず住んでいる市町村の窓口にその旨を伝えて、必要な書類を受け取ります。心身の状態や困っていることをもとに、使いたいサービスと事業者、日時を決め、事業所に伝えて予約します。
事業所がサービス提供を決めたら、その内容を書いたケアプランを市区町村の窓口に出して確認を受けてから、予約を確定します。サービスを使ったあとは、1か月ごとに利用の実績を窓口に出す手続きが毎月必要です。支給限度額を超えた分は全額自己負担になるため、注意が必要です。手続きに慣れていない場合は、ケアマネジャーに頼む方法もあります。
居宅介護支援のケアプラン作成は利用者負担がない

居宅介護支援で、ケアマネジャーにケアプランを作ってもらう場合、作成の費用は利用者負担がありません。ただし、ケアプランに沿って使う介護サービスには、費用の1割(一定以上所得者は2割または3割)の自己負担がかかります。居宅サービスには要介護度ごとの支給限度額があり、超えた分は全額自己負担です。作成が無料であることと、サービスの利用料の仕組みを分けて確認します。
費用は、作成の費用とサービスの利用料の2つに分けて考えると整理できます。要支援の場合の作成費用は、地域包括支援センターに確かめます。
サービスの利用料は1割から3割の自己負担がかかる
厚生労働省の介護サービス情報公表システムは、居宅介護支援について「ケアプランの作成にあたって、利用者負担はありません」と説明しています。
一方で、ケアプランに沿って使うサービスには、費用の1割(一定以上所得者は2割または3割)の自己負担がかかります。所得が低い人や、1か月の利用料が高額になった人には、負担を軽くする措置があります。要支援の場合は、作成を頼む事業所が決まり次第、市区町村へ届出を出し、厚生労働省の届出書の様式には、届出がない場合は費用をいったん全額自己負担することがある、と書かれています。要介護の場合の届出は、市区町村に確かめます。
支給限度額を超えた分は全額自己負担になる
居宅サービスを使うときは、要介護度ごとに、1か月に使えるサービスの量(支給限度額)が決まっています。限度額の範囲内なら1割(一定以上所得者は2割または3割)の自己負担で、超えた分は全額自己負担です。介護サービス情報公表システムが示す1か月あたりの限度額(2026年11月時点の表示)は、次のとおりです。
| 認定の区分 | 1か月あたりの限度額 |
|---|---|
| 要支援1 | 50,320円 |
| 要支援2 | 105,310円 |
| 要介護1 | 167,650円 |
| 要介護2 | 197,050円 |
| 要介護3 | 270,480円 |
| 要介護4 | 309,380円 |
| 要介護5 | 362,170円 |
限度額は、国の告示では単位数で定められ、公表システムでは円に換算して示されています。超えた分は全額自己負担になるため、使いたいサービスの量が限度額に収まるかは、ケアマネジャーに確かめます。
ケアプランができあがるまでの流れは4つの手順

要介護の人のケアプランは、ケアマネジャーが利用者の自宅を訪ねる面接から始まり、事業所との契約とサービスの開始で一区切りになります。厚生労働省の運営基準が定める主な内容を、実際の流れに沿って並べると次のとおりです。
- アセスメント:ケアマネジャーが自宅を訪ねて、利用者と家族に会って状況を聞き、課題を明らかにする
- 話し合い:利用者と家族、サービス担当者が集まるサービス担当者会議で、原案について意見を出し合う
- 説明と同意:保険の対象になるかを区分した原案を利用者または家族に説明し、文書で同意を得る
- 交付とサービス開始:完成したケアプランが利用者と担当者に渡され、サービス事業所と契約してサービスが始まる
公表システムも、同じ流れを、アセスメント、話し合い、ケアプラン作成、サービス利用のスタートの順に説明しています。原案ができた段階で、本人や家族が意見を出せる場が用意されているため、希望があれば、その時点で伝えます。担当者が集まる会議は、利用者の心身の状況などでやむを得ない場合、担当者への照会で意見を求めることもできると、基準に定められています。サービス事業所との契約とは別に、居宅介護支援の開始にあたって、事業所から重要事項の説明を受けて同意する手続きもあります。
作成後もケアマネジャーが状況を確認し見直す

ケアプランは、作ったあとも、ケアマネジャーが定期的に利用者の状況を確認し、必要に応じて見直します。この確認をモニタリングと呼び、厚生労働省の基準では、特段の事情がない限り、少なくとも1か月に1回、利用者に会って面接し、その結果を記録することとされています。本人の状態や希望が変わったときは、ケアマネジャーに伝えると、見直しにつながります。
見直しは、毎月の面接のほか、要介護の認定が変わったときにも行われ、頼む相手はケアマネジャーです。
モニタリングは原則月1回の面接と記録で行う
厚生労働省の運営基準では、ケアマネジャーはケアプランを作ったあとも、サービスの実施状況を、利用者の状態の把握を含めて継続的に確認することとされています。確認にあたっては、利用者や家族、サービス事業者との連絡を続けながら、特段の事情がない限り、少なくとも1か月に1回、利用者に面接し、その結果を月1回記録します。面接は自宅への訪問が原則で、利用者の同意と関係者の合意、心身の状況が安定していることなどの条件を満たせば、少なくとも2か月に1回の訪問を条件に、テレビ電話などで行うこともできます。
要介護の更新認定や、要介護度が変わる区分変更の認定を受けたときは、サービス担当者会議を開いて、ケアプランを変える必要があるかを担当者に聞くと、基準に定められています。やむを得ない理由がある場合は、担当者への照会で代えられます。毎月の面接と、認定が変わるときの会議が、見直しの機会になります。
見直しを頼むときはケアマネジャーに伝える
サービスの内容や時間を変えたいときは、まずケアマネジャーに相談します。中野区の案内でも、使っているサービスの内容の変更や時間の延長は、ケアマネジャーに相談するよう案内されています。変える内容によっては、利用者の負担額が変わることがあるため、変更の前に、負担がどうなるかも聞いておきます。
たとえば、デイサービスに通う回数を増やしたいときも、ケアプランを変えることがあります。また、自宅での生活が難しくなったと認められる場合や、本人が介護保険施設への入所を希望する場合には、ケアマネジャーが介護保険施設への紹介などの便宜を図ると、基準に定められています。介護の状態や暮らしが変わったと感じたら、時期を待たずに伝えます。
ケアマネジャーのいる事業所は公表システムで探せる

ケアプランを頼むケアマネジャーのいる居宅介護支援事業所は、厚生労働省の介護サービス情報公表システムで、所在地などの情報を調べられます。事業所の情報を調べたうえで、確かめたい点を相談の初めに聞くと、頼む前に納得しやすくなります。
選ぶときは基準で定められた点を確かめられ、沖縄県北谷町には、パステルのケアプラン相談の窓口があります。
事業所を選ぶときに基準で確かめたい4つの点
事業所を選ぶときは、厚生労働省の基準で決められている内容が守られているかを目安にします。たとえば、次の点です。
- 特定のサービスや事業者に偏らず、公正中立に進めてくれるか
- 地域のサービス事業者の内容や利用料の情報を、分かりやすく教えてくれるか
- 自宅を訪ねて、本人と家族の希望を聞いてくれるか
- 作成後も、原則月1回は面接して状況を確認してくれるか
これらは、基準に定められている内容に沿った確かめ点です。介護サービス情報公表システムでは、事業所の所在地や、事業所ごとの情報を調べられます。相談の初めに、これらの点を聞いてみると、事業所の対応のしかたを確かめられます。
沖縄県北谷町のグラットホーム パステルのケアプラン相談
沖縄県北谷町では、グラットホーム パステルが、電話またはお問い合わせフォームでケアプランの相談を受け付けています。受付は日曜を除く9時から18時までです。相談のあと、ケアマネジャーが訪問して、居宅介護支援の内容と契約について説明します。
同意書に署名して契約を結んだあと、本人と家族と相談しながらケアプランを作り、サービスが始まったあとも、状況に応じて見直していく流れです。パステルのページには、介護保険の使い方が分からない人も、まず電話かフォームで相談できると書かれています。
ケアプランについて調べるときのよくある質問
ケアプランについてよく聞かれる質問のうち、ここまでの章と重ならない点をまとめました。
ケアプランと介護計画書の違いは何ですか?
ケアプラン(居宅サービス計画)は、ケアマネジャーが作る、利用するサービス全体の計画です。介護計画書は、訪問介護計画のように、各サービスの事業所が、その事業所のサービスについて作る個別の計画を指して使われることがあります。
厚生労働省の基準では、訪問介護計画や訪問リハビリテーション計画は、すでにケアプランができている場合、その内容に沿って作ることとされています。ケアマネジャーは、ケアプランに入れたサービスの事業者に、個別の計画の提出を求めることになっています。
サービス担当者会議には必ず集まる必要がありますか?
サービス担当者会議は、利用者と家族の参加を基本に、原案に入れたサービスの担当者を集めて開く会議です。厚生労働省の基準では、利用者の心身の状況などにより、主治の医師の意見を踏まえて必要と認める場合など、やむを得ない理由があるときは、会議の開催に代えて、担当者への照会で意見を求めることができるとされています。
利用者や家族が参加する場合は、テレビ電話などを使う方法もあり、その場合は利用者などの同意が必要です。参加のしかたに不安があるときは、日程や方法を、ケアマネジャーに相談します。
介護予防ケアマネジメントとは何のことですか?
介護予防ケアマネジメントは、地域包括支援センターの主な業務の一つです。厚生労働省の資料では、地域包括支援センターは、介護予防支援と、介護予防ケアマネジメントを含む包括的支援事業を行う機関とされています。要支援の人への介護予防支援は、保険給付の対象です。
要支援の人のケアプラン作成の窓口は、地域包括支援センターです。どの窓口にどの手続きが必要かは、お住まいの地域包括支援センターに確かめます。
ケアプランの書式の記載要領はどこで確かめられますか?
居宅サービス計画の標準様式は、厚生労働省が、記載要領とあわせて示しています。第1表から第7表まで、各表に何を書くかが記載要領にまとめられているため、ケアプランを受け取ったときに、書かれている内容の意味を確かめるときに使えます。
ケアマネジャーに頼む場合は、事業所がケアプランを作るため、利用者が書式を用意する必要はありません。自分で作る場合は、市町村の窓口に伝えると、必要な書類を受け取れます。

