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家族信託とは?仕組み・費用・成年後見制度との違いを解説

家族信託とは?仕組み・費用・成年後見制度との違いを解説

親の預金や不動産の管理を、将来に備えて家族に任せておきたいと考えたことはないでしょうか。内閣府の「令和6年版高齢社会白書」によると、2022年時点で65歳以上の認知症の人はすでに443.2万人(有病率12.3%)にのぼり、2040年には584.2万人(14.9%)まで増える見込みです。認知症などで判断能力が低下すると、本人名義の預金の引き出しや不動産の売却が難しくなりますが、家族信託とは、判断能力があるうちに信頼できる家族へ財産の管理・処分を託しておく契約のことで、こうした事態への備えとして注目されています。

この記事では、家族信託の基本的な仕組みから、できること、成年後見制度との違い、費用、デメリット・注意点までをまとめて解説します。「家族信託は危険」「やってはいけない」といった声も見られるため、メリットだけでなく注意点まで正確に理解したうえで検討してください。

目次

家族信託は財産管理を家族に託す仕組み

家族信託は、法律上の「信託」の仕組みを家族間の財産管理に活用したものです。信頼できる相手に財産を託し、一定の目的に沿って管理・処分してもらうという信託の基本構造を、家族間の契約として設計します。信託銀行が営利目的で引き受ける「商事信託」に対して、家族信託は営利を目的とせず家族・親族間で完結させる「民事信託」の一種と位置づけられます。

近年は司法書士・弁護士が契約設計を支援する形で普及が進んでおり、認知症対策の選択肢として認知度が高まっています。

委託者・受託者・受益者の3者で成り立つ

家族信託には「委託者」「受託者」「受益者」という3つの立場があります。委託者は財産の持ち主で、管理を任せる人です。受託者は財産を預かって実際に管理・処分を行う人で、多くの場合は子など信頼できる家族が担います。受益者は信託によって生じる利益(家賃収入や売却代金など)を受け取る人です。1人の人物が複数の立場を兼ねることもでき、委託者自身が受益者を兼ねる「自益信託」が実務上もっとも多く用いられる形です。

立場役割典型的な例
委託者財産の持ち主で、管理を任せる人母親
受託者財産を預かり、実際に管理・処分を行う人子(娘・息子など)
受益者信託から生じる利益を受け取る人母親(委託者と兼ねる「自益信託」が多い)

たとえば、母親が自宅と預金の管理を娘に任せる場合、委託者と受益者が母親、受託者が娘という形になります。財産の名義は受託者である娘に移りますが、そこから生じる利益は引き続き母親が受け取るため、実質的な財産権は母親のもとに残ります。このように、名義上の管理権限と経済的な利益を受け取る権利を分けられる点が、単純な生前贈与や名義変更とは異なる、信託ならではの特徴です。

判断能力があるうちに契約するのが前提

家族信託は、委託者と受託者の間で信託契約を結ぶことで成立します。契約行為である以上、委託者本人に契約内容を理解できるだけの判断能力があることが前提です。すでに認知症の診断を受け、判断能力が十分でないと判断される段階になると、新たに家族信託を組むことは基本的にできません。判断能力の有無は診断名だけで一律に決まるわけではありませんが、契約の意味を理解できる状態であることが必須条件になります。

「まだ元気だから」と先延ばしにしているうちに判断能力が低下してしまうと、家族信託という選択肢自体がなくなり、法定後見制度に頼るしかなくなってしまいます。家族信託は判断能力が低下してから慌てて検討しても間に合わない制度であるため、対策を考え始めた時点、あるいは家族の年齢や健康状態が気になり始めた時点で、早めに動き出すことが何より重要です。

家族信託でできる2つのこと

家族信託を組んでおくと、委託者の判断能力が低下した後も、契約で定めた範囲内で受託者が財産管理を続けられます。成年後見制度では認められない資産の積極的な活用まで含めて、契約次第で柔軟に設計できる点が特徴です。信託財産に何を含めるか、どこまでの権限を受託者に与えるかは契約書の内容次第で自由に決められるため、家庭の事情に合わせたオーダーメイドの設計が可能です。不動産だけでなく、預貯金や有価証券なども信託財産に含められるため、財産の種類ごとに任せる範囲を細かく分けて設計することもできます。

具体的にどのようなことができるのか、代表的な2つを紹介します。

不動産の管理・売却を受託者が代わりに行える

自宅や収益物件を信託財産に含めておけば、委託者の判断能力が低下した後も、受託者が契約で定めた範囲内で賃貸管理や修繕、売却の手続きを進められます。「将来、施設入居費用にあてるために実家を売却するかもしれない」という場合でも、あらかじめ受託者に売却の権限を与えておけば、判断能力が低下してから売却できずに困る事態を避けられます。収益物件であれば、賃貸借契約の締結や更新、大規模修繕の判断なども受託者が代わりに進められるため、賃貸経営を止めずに継続できる点も実務上のメリットです。

たとえば、親が施設に入居した後に空き家となった実家を、必要なタイミングで受託者の判断だけで売却できるようにしておけば、判断能力の低下を待たずに、家族の生活状況に合わせて機動的に対応できます。売却代金は受益者である本人の生活費・施設費用にあてる、という使い道まで契約書の中であらかじめ定めておくことも可能です。

遺言代用信託で二次相続の受取人まで指定できる

家族信託は、委託者が亡くなった後の財産の承継先まで、契約の中であらかじめ指定できる点も特徴です。これを「遺言代用信託」と呼び、遺言と同じように死後の財産承継先を定められるだけでなく、「自分の次はこの子に、その次はこの孫に」というように、二次相続以降の承継先まで指定できる「受益者連続信託」も可能です。通常の遺言では自分の次の代までしか指定できないため、たとえば先妻の子と後妻の間で財産の帰属先を分けたいなど、二次相続以降まで意向を反映したい場合に活用されます。

たとえば、先妻との間に子がいる場合、「自分が亡くなったら後妻に自宅の居住権を、後妻が亡くなったら先妻の子に所有権を移す」というように、複数世代・複数の家族関係にまたがる複雑な承継先の指定も、家族信託であれば契約書に落とし込めます。ただし後述の通り、受益者連続信託には信託法上の期間制限があるため、無制限に承継先を指定し続けられるわけではない点は理解しておく必要があります。

家族信託と成年後見制度との違い

判断能力の低下に備える制度としては、成年後見制度もよく比較されます。どちらも認知症などによる判断能力低下に備える制度ですが、開始のタイミングや財産管理の自由度、家庭裁判所の関与の有無など、目的や仕組みに大きな違いがあります。どちらか一方しか使えないわけではなく、財産管理は家族信託、身の回りの支援は成年後見制度というように、目的に応じて2つの制度を組み合わせて利用することも可能です。

まずは主な違いを確認しておきましょう。

家族信託には身上監護権がない

家族信託と成年後見制度の違いを整理すると、次のようになります。

項目家族信託成年後見制度(法定後見・任意後見)
開始のタイミング判断能力があるうちに契約法定後見は判断能力低下後、任意後見は事前契約+判断能力低下後に発効
財産管理の自由度契約で定めた範囲内で柔軟に設計できる本人の財産を守ることが目的のため、資産運用や生前贈与は原則不可
身上監護対象外(財産管理・処分に特化)施設入所契約や医療同意など身上監護も担える
家庭裁判所の関与なしあり(法定後見は選任・監督、任意後見は監督人選任)

家族信託の受託者は、財産の管理・処分はできますが、施設入所の契約や医療同意といった、本人の身の回りに関する法律行為(身上監護)を代理する権限はありません。財産管理だけでなく、施設入居や医療に関する契約まで家族に任せたい場合は、家族信託だけでは対応しきれないため、成年後見制度(特に任意後見)との併用を検討する必要があります。実務上も、財産管理は家族信託、身上監護は任意後見という形で2つの制度を組み合わせるケースは珍しくありません。

たとえば、施設への入居契約や、入院時の手術同意といった場面では、家族信託の受託者ではなく、身元保証人や医療同意権を持つ家族、あるいは任意後見人が対応することになります。身寄りが少なく、身の回りの支援まで第三者に任せたい場合は、家族信託だけで完結させようとせず、身元保証サービスや任意後見契約とあわせて準備しておくと安心です。

家庭裁判所の監督を受けない分、自由に設計できる

成年後見制度は、後見人等の財産管理状況を家庭裁判所が継続的にチェックする仕組みですが、家族信託は家庭裁判所の監督を受けません。そのぶん、資産運用や生前贈与など、成年後見制度では認められない財産の積極的な活用も、契約で定めておけば受託者の判断で進められます。自由度が高い一方で、契約内容の設計を誤ると受託者の権限が不明確になりやすいため、専門家に相談しながら契約書を作成することが重要です。たとえば、実家を売却して得た資金を、委託者本人の生活費だけでなく、将来の資産の組み替えにあてるといった判断も、契約で受託者に権限を与えておけば可能です。成年後見制度であれば家庭裁判所の許可が必要になる、あるいはそもそも認められない行為も、家族信託では柔軟に対応できる場合がある点は、大きな違いといえます。

どちらを選ぶかは身上監護の要否で判断する

両制度のどちらを選ぶか迷う場合は、身上監護まで必要かどうかが主な判断基準になります。財産管理を柔軟に任せたいだけで、身の回りの世話や医療・介護の契約は家族が別途対応できるのであれば家族信託が向いています。一方、家族が遠方に住んでいて身上監護まで第三者に任せたい場合や、すでに判断能力が低下してしまっている場合は、家族信託を新たに組むこと自体ができないため、成年後見制度(法定後見)を利用することになります。

  • 家族信託が向いている人:判断能力があり、財産管理を柔軟に家族へ任せたい人
  • 成年後見制度が向いている人:身上監護まで必要、またはすでに判断能力が低下している人

すでに家族信託と成年後見制度のどちらも選べる段階であれば、まずは家族信託で財産管理の枠組みを整えたうえで、身の回りの支援が必要になった時点で任意後見契約を追加する、という順序で検討する方法もあります。判断に迷う場合は、司法書士や弁護士に家庭の状況を伝えたうえで、どちらか一方、あるいは両方の制度を組み合わせるべきか相談することをおすすめします。

家族信託にかかる費用の内訳と相場

家族信託には、成年後見制度のような裁判所への申立て費用はありませんが、契約書の設計・公正証書化・不動産の信託登記などに専門家報酬がかかります。費用は信託財産の種類や金額、依頼する事務所によって幅があり、成年後見制度のように家庭裁判所が報酬額を決めるわけではないため、契約前にどこまでの作業が報酬に含まれているかを確認しておく必要があります。

金融機関や専門家によって金額に幅があるため、複数の見積もりを比較したうえで、総額の目安を事前に把握しておきましょう。

コンサルティング報酬は信託財産の1%程度が目安

家族信託にかかる費用の内訳を整理すると、次のようになります。

費目費用の目安
コンサルティング報酬(契約設計)信託財産額の1%程度(最低40万円前後が目安)
信託契約書の作成報酬11万円〜16.5万円程度
公正証書化の手数料5,000円〜95,000円程度(信託財産額に応じて変動)
不動産の信託登記(登録免許税)土地:評価額×0.3%/建物:評価額×0.4%(司法書士報酬は別途)

専門家に契約設計を依頼する場合、コンサルティング報酬は信託財産額の1%程度、最低でも40万円前後を見込んでおく必要があるとされています。たとえば信託財産額が3,000万円であれば、コンサルティング報酬だけで30万円程度が目安になる計算です。財産額が大きいほど報酬総額も増える仕組みのため、依頼前に複数の事務所から見積もりを取り、報酬体系(定額制か、財産額に連動する割合制か)を比較しておくことをおすすめします。割合制の場合、財産額の算定方法(不動産をどう評価するか等)によっても総額が変わってくるため、見積もり時にその根拠まで確認しておくと、後から想定外の請求に驚くことを防げます。事務所によっては、初回相談を無料にしているところもあるため、まずは複数の候補に問い合わせて、対応や見積もりの分かりやすさを比較してみるとよいでしょう。

不動産を含む場合は総額50万〜60万円程度が目安

コンサルティング報酬に加えて、契約書作成報酬・公正証書化の手数料・不動産の信託登記費用(登録免許税+司法書士報酬)が積み上がるため、不動産を信託財産に含める場合は総額50万〜60万円程度、不動産を含まない場合でも30万〜40万円程度が一般的な目安とされています。委託者自身が受益者を兼ねる「自益信託」であれば、財産の実質的な移転が発生しないため、贈与税・不動産取得税は原則かかりません。

契約内容を自分で一から設計するのが不安な場合は、家族信託専門のサポートサービスを利用する方法もあります。おやとこは、初期費用231,000円〜(信託財産額に応じて1〜1.1%)、月額2,728円〜で、提携する弁護士・司法書士による契約書作成や登記手続きまで依頼できるサービスです。全国15拠点で対応しており、契約件数は3年連続No.1(日本マーケティングリサーチ機構調べ)とされています。

家族信託の5つの注意点・デメリット

自由度の高さがメリットである一方、家族信託には契約前に知っておくべき制約もあります。「デメリット」「やってはいけない」「危険」といった検索が多いことからも分かるように、契約内容の設計を誤ったまま進めてしまい、想定と違う結果になって後悔する事例も少なくありません。多くは、成年後見制度と役割が違う点や、契約後に変更しにくい点を知らないまま進めてしまうことが原因です。

契約前に制度の限界を理解し、専門家に相談しておくことで避けられるものがほとんどのため、代表的な5つを確認しておきましょう。

身上監護はできないため後見制度と併用するケースもある

前述の通り、家族信託は財産管理・処分に特化した制度で、施設入所契約や医療同意といった身上監護は対象外です。財産管理は家族信託、身上監護は任意後見、という形で2つの制度を併用するケースも珍しくありません。どこまでを家族信託でカバーし、どこからを後見制度に任せるか、契約前に整理しておく必要があります。

たとえば、財産管理は長男に家族信託で任せつつ、判断能力が低下した後の入院・施設入所の手続きは、次男を任意後見人とする契約をあわせて結んでおく、という組み合わせ方が考えられます。財産管理を任せる人と、身の回りの支援を担う人を分けたい場合や、そもそも身上監護まで担ってくれる家族がいない場合は、任意後見だけでなく、身元保証サービスの利用もあわせて検討する余地があります。

認知症発症後は契約内容を変更できない

信託契約の変更は、原則として委託者・受託者・受益者全員の合意によって行うとされています(信託法第149条)。委託者である親が認知症を発症し判断能力を失った後は、この合意形成そのものができなくなるため、契約内容を後から変更することが事実上できなくなります。「介護方針が変わって、想定していなかった支出が必要になった」「不動産を売却したいが契約書に売却権限を含めていなかった」という場合でも、契約内容の変更が間に合わず、信託がかえって足かせになってしまうこともあるため、契約時点であらゆる想定シナリオを盛り込んでおくことが重要です。想定していなかった事態が起きたときに誰がどう対応するかを契約書の中であらかじめ定めておく「予備的な条項」を盛り込んでおくことで、こうしたリスクをある程度軽減できます。

住宅ローンが残る不動産は信託しにくい

住宅ローンが残っている不動産には抵当権が設定されており、金融機関との契約(金銭消費貸借契約)で、無断で名義を変更してはいけないと定められていることがほとんどです。ローン残債のある不動産を信託財産に含めたい場合は、事前に金融機関へ相談し、承諾を得る必要があります。金融機関によっては家族信託そのものに慎重な姿勢を示すこともあるため、収益物件など融資を利用している不動産を信託したい場合は、早い段階で金融機関に確認しておくことをおすすめします。とくに賃貸経営中の収益物件でアパートローンが残っている場合、金融機関によっては信託を理由に一括返済を求められる可能性もゼロではありません。ローン付き不動産を信託財産に含めたい場合は、司法書士や金融機関の窓口に、家族信託の実績があるかどうかも含めて事前に相談しておくと安心です。

家族間の合意なく進めると対立を招くことがある

受託者を子の1人に決めて契約を進めた結果、他の兄弟姉妹に十分な説明がないまま契約が成立してしまうと、「なぜ自分ではなく特定の兄弟だけが親の財産を管理するのか」という不満や、感情的な対立につながることがあります。契約自体は委託者と受託者の合意だけで成立しますが、後々の親族間トラブルを避けるためには、契約前に他の家族にも目的や内容を説明し、理解を得ておくことが望ましいとされています。特に実家などの不動産を信託財産に含める場合、他の兄弟姉妹からすれば「将来の相続財産が特定の家族の管理下に置かれる」という印象を持たれやすく、後になって相続の話し合いがこじれる原因にもなりかねません。契約前に家族会議の場を設け、なぜ家族信託を選ぶのか、誰にどの財産の管理を任せるのかを共有しておくことが、後々のトラブルを避けるうえで重要です。

賃貸不動産の赤字は他の所得と損益通算できない

収益物件を信託財産に組み込んでいる場合、その不動産所得が赤字になっても、国税庁の定める通常の損益通算のルールとは異なり、租税特別措置法第41条の4の2により、信託財産から生じた不動産所得の損失は信託財産以外の所得と損益通算できません。同一の信託契約内にある複数の不動産同士であれば通算できますが、信託していない他の所得(給与所得など)と相殺することはできない点に注意が必要です。加えて、信託法第91条(いわゆる30年ルール)により、受益者連続信託は設定から30年経過後は受益権の承継が1回しか認められないため、孫やひ孫の代まで無制限に承継先を指定し続けられるわけではありません。確定申告の際は、信託財産から生じた不動産所得を、信託していない他の不動産所得と区別して申告する必要があるため、税理士に相談しながら進めることをおすすめします。

家族信託を始める4つのステップ

家族信託は、思い立ってすぐに契約できるものではなく、家族間の話し合いから始まり、専門家を交えた契約設計、公正証書化までいくつかの段階を踏みます。全体の流れを把握しておくと、どのタイミングで何を準備すればよいかが分かりやすくなります。

  1. 家族間で、誰にどの財産の管理を任せるか、目的と範囲を話し合う
  2. 司法書士・弁護士などの専門家に相談し、契約内容を設計する
  3. 信託契約書を公正証書化し、信託専用の口座(信託口口座)を開設する
  4. 不動産を信託財産に含める場合は、法務局で信託登記を行う

家族だけで契約書のひな形を作成することも制度上は可能ですが、受託者の権限の範囲や、想定外の事態(受託者の死亡・破産、介護方針の変更など)への備えを盛り込まないまま契約してしまうと、後になって「必要な権限が契約に含まれていなかった」という事態になりかねません。前述の通り、認知症発症後は契約内容の変更が難しくなるため、契約設計の段階から専門家に相談し、想定されるシナリオをできる限り洗い出しておくことをおすすめします。

家族信託に関するよくある質問

家族信託について、検討中の方からよく寄せられる質問をまとめました。

家族信託は誰に相談すればよいですか?

司法書士・弁護士・税理士など、家族信託を扱う専門家に相談するのが一般的です。契約内容の設計から公正証書化、不動産がある場合の信託登記まで一括で依頼できる事務所も多く、自分で契約内容を一から設計するのが不安な場合は、おやとこのような家族信託専門のサポートサービスを利用する方法もあります。依頼する専門家によって得意分野が異なるため、不動産を多く含む場合は司法書士、税務面まで含めて相談したい場合は税理士も交えるなど、家庭の状況に応じて依頼先を選ぶとよいでしょう。

初回相談を無料にしている事務所も多いため、まずは複数の候補に相談し、説明の分かりやすさや相性を比較してから依頼先を決めることをおすすめします。

家族信託の手続きにはどのくらいの期間がかかりますか?

専門家への相談から契約書の完成、公正証書化までは、平均して1〜2か月程度が目安とされています。財産の内容が複雑な場合や、受託者にする家族以外の親族への説明・合意形成に時間がかかる場合は、これより長引くこともあります。不動産を信託財産に含める場合は、契約後に法務局での信託登記の手続きも必要になるため、その分の期間も見込んでおく必要があります。

急いでいる事情がある場合は、相談の段階でおおよその期間の見通しを専門家に確認しておくとよいでしょう。委託者本人の判断能力に不安がある場合は、手続きが長引くほど契約自体が組めなくなるリスクも高まるため、検討を始めたら早めに専門家への相談を予約することをおすすめします。

家族信託をすると相続税を節税できますか?

家族信託そのものに、直接的な節税効果はありません。信託を組んでも財産の評価額そのものが下がるわけではなく、課税関係は基本的に信託を組まない場合と変わらないためです。

認知症対策や資産の円滑な承継を目的として家族信託を活用した結果、資産の組み替えや売却がスムーズに進み、副次的に税負担が抑えられることはありますが、節税そのものを目的に家族信託を検討するのは適切ではありません。むしろ、信託財産の評価や税務処理を誤ると、想定していなかった贈与税や、前述の損益通算禁止による税負担増につながることもあるため、税務面については税理士にも確認しながら契約内容を設計することをおすすめします。

家族信託を結んでいれば遺言は不要になりますか?

家族信託の効力が及ぶのは、信託財産として契約に組み込んだ財産に限られます。信託財産に含めなかった財産については、家族信託とは別に遺産分割協議や遺言が必要になるため、家族信託を組んだからといって遺言が一切不要になるわけではありません。信託財産以外の財産がある場合は、遺言もあわせて用意しておくと安心です。また、家族信託の契約書自体は遺言のように厳格な形式が定められているわけではありませんが、内容に不備があると相続時にトラブルの原因になりかねないため、信託財産に含めなかった財産の扱いも含めて、専門家に確認しながら準備を進めることをおすすめします。

家族信託と生前贈与はどちらを選べばよいですか?

生前贈与は財産の所有権そのものを移転する方法で、贈与後は本人の意向を反映させることができません。一方、家族信託は財産の管理・処分だけを受託者に任せる仕組みで、委託者(多くの場合は受益者を兼ねる)が実質的な利益を受け取り続けられる点が異なります。財産の実質的な権利を手元に残しながら、管理だけを任せたい場合は家族信託、財産そのものを早めに移転したい場合は生前贈与が向いています。判断に迷う場合は、認知症と相続の対策もあわせて確認し、他の対策と比較したうえで選ぶことをおすすめします。

家族信託はメリットと制約の両方を理解したうえで、早めに専門家へ相談しながら準備を進めることが失敗を避ける近道です。

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